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高齢者や子どもに多いクラミジア肺炎とは?

2019年10月26日
男性を診ている医者

性器クラミジアは典型的な性感染症の一種なので、性生活が盛んな10代から20代の若年層に感染者が集中しています。しかし性器に感染部位が限定されるわけではありません。性器以外の異所性の感染をみることが珍しくないので、様々な病態を呈することになります。なかでもクラミジア肺炎は、性交渉を持つことがない新生児や年少児などの子ども、高齢者などの幅広い年代に発症例が頻発していることからも特異な性質を有しているのは確かです。

クラミジア肺炎とは上気道などを通じてクラミジアに細菌感染することを原因にして、発症する肺炎のことです。肺炎球菌などの原因菌で発症する定型肺炎の場合は、激しい咳や高熱全身倦怠感などの全身症状の出現にともなって呼吸困難などの症状に発展し、最終的には生命にかかわる状況になります。これに対して、クラミジア肺炎は細菌感染をきっかけにする点で、定型肺炎と共通してますが重篤な事態に悪化することは珍しいのが特徴です。

そこでクラミジア肺炎は異型肺炎に分類されます。異型肺炎は頑固な咳が継続し深刻な容態に発展するリスクは低いですが、飛沫感染するので感染拡大を阻止するにはマスクの使用は必須です。高齢者の場合にはクラミジアが何らかの経路で気道などに感染することで肺に移行することが原因とされています。これに対して子ども、とりわけ新生児の場合は子宮頚管炎の患部に分娩の過程で接触を持つことが原因である産道感染になります。

クラミジア肺炎の治療は性器クラミジアに準じますが、宿主の細胞内部に分布する特性をもっていることから、細胞膜合成を阻害するペニシリン系の抗生物質が奏功しません。そこでマクロライド系のアジスロマイシン(ジスロマック)や、テトラサイクリン系のミノサイクリンなどの投与が行われます。ただし8歳未満の子どもでは、歯の変色を来たすので変色予防のために、テトラサイクリン系の抗生物質の投与はさけるのが一般的です。クラミジア肺炎は抗生物質投与などの治療に良く反応するので、予後良好な病気です。ただし慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの基礎疾患を有する高齢者の場合は、重篤化する可能性があります。

クラミジア肺炎と診断されたときは、治療に取り組むのはもちろん、飛沫感染のリスクがあるので感染予防のためのマスク装着は必須です。新生児のクラミジア肺炎などの病気予防のために、自然分娩を諦めて帝王切開が選択される場合もあります。